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カラーとイメージが相反しないために:ムードボードの重要性

  • 執筆者の写真: MAOT WORKS
    MAOT WORKS
  • 6月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:7月5日

デザインの初期段階でよくあるご相談のひとつに、「自分が好きな色」と「伝えたいイメージ」がうまくかみ合わない、というものがあります。

たとえば、「水色やくすんだグレーが好きだけれど、お店の印象としてはもっとワクワク感や親しみやすさを出したい」といったケースなどが、これに該当します。このようなとき、どちらを優先すべきか迷ってしまうことはありませんか?


そんなときにこそ役立つのが、「ムードボード」の存在です。


カラーとイメージが相反しないために:ムードボードの重要性
ムードボードのサンプル

そもそもムードボードとは何か?

ムードボードとは、ブランドの印象を視覚的にまとめた「感覚の地図」のようなものです。写真・色・質感・言葉・素材感など、ブランドが大切にしたい空気感を紐解く5つのエレメンツを、一枚のボードに集約していきます。通常A4サイズほどの画面に、この5つの要素を配置していきます。


すると、「好きなもの・伝えたいもの・感じてほしいもの」など、言葉では伝えきれない「ブランドのらしさ」を、視覚で確認できるツールとして使うことができます。

ムードボード制作の作業を行うことで、ブランドに秘められた「(自分の)好きや好み」と「(ブランドをとおして)伝えたいこと」という、個人と事業の境界線が見えてきます。


好きな色=ブランドカラーとは限らない

私たちは、個人的に好きな色やスタイルを自然と持っていますが、それがそのまま「ブランドカラー」としてふさわしいとは限りません。


集中すべきは、ブランドのカラーシステムであり、そこでは「ブランドをとおしてターゲットオーディエンスにどんな印象を持ってもらいたいか」をもとに設計します。


たとえば、ワクワク感やエネルギッシュさを伝えたい場合、彩度やコントラストをある程度高めた方が印象に残りやすくなります。


逆に、くすみカラーは落ち着きや品のよさを感じさせますが、伝えたいメッセージによっては、やや控えめに感じられることもあります。


ムードボードをつくることで、「この色は好きだけど、ブランドの主役には合わないかもしれない」と客観的に考えるきっかけになります。


好きな色を「らしさ」の一部として活かす方法

お客様が悩まれているとき、マオトワークスでは「好きな色をすべて諦めなくてもよいはずですよ」とお声かけしています。むしろ、うまく使えば「らしさ」として機能することもあるとお伝えします。


たとえば、ブランドカラーは明るく親しみやすいトーンで設計し、補助的に好きな色味をアクセントカラーとして取り入れるという方法があります。特に、ロゴマーク・名刺・ウェブサイトなど、ブランドイメージのアイコンとなりうるデザイン類には、このブランドカラーのムードボードにそったカラーシステムで制作していきます。


一方で、SNSの投稿デザインや印刷物、グッズ類など、軸足となるブランドのカラーシステムに枝葉を分けるように、キャンペーンごとに世界観の幅を広げられる場合は、「自分らしさ(自分が好きな色味)」をつかって、効果的な表現をするのも良い方法です。


例えば、スターバックスを例に挙げると、ブランドカラーは「グリーン・ホワイト・ブラック」などのアイコニックな色相で表現されており、オールシーズン発売されている定番のカップなどはこのカラーシステムが使用されています。しかし、春は桜色のようなピンクのタンブラーを発売したり、夏には水色で海を彷彿とさせるようなトロピカルな印象のグッズバリエーションが取り入れられていたりします。


大切なのは、ムードボードを通じて「カラーシステムの基本」と「基本カラーの使いどころ」を整理しておくことです。例えば、「ブランドガイドライン」などの資料にまとめておくと、いつ・どこを切り取っても、統一感のあるブランドイメージをつくることができます。

「ムードボード」を発展させた事例
「ムードボード」を発展させた事例


色相環で考えてみる

ブランドイメージにとっての適切な配色のためには、「その色(色相)がもつイメージの種類」なども重要なポイントです。色相は、人の心理に影響を与えると考えられており、色によって様々なイメージを連想させます。例えば、簡単な色相分けをすると、以下のようなイメージの種類があります。

  • エネルギー、情熱、怒り、攻撃的

  • 冷静、知性、信頼、静寂

  • 自然、安らぎ、癒し、健康

  • 陽気、希望、注意、警戒

  • :贅沢、高貴、神秘、不安


また、「色相環(しきそうかん)」上で、正反対の位置にある色の組み合わせ「補色(ほしょく)」を使うと、お互いの色を引き立て合い、コントラストが強くなる効果が期待できます。例えば、赤と緑、青とオレンジ、黄と紫などが代表的な補色関係です。

色相環_color wheel

補色を使うことで、以下のような効果が期待できます。

  • 視覚的なインパクト:補色同士を組み合わせると、お互いの色が鮮やかに見えるため、強いインパクトを与えることができます。

  • 強調効果:補色は、お互いを引き立て合うため、特定の要素を目立たせたい場合 (例: 文字と背景) に有効です。

  • 注意喚起:補色の組み合わせは、注意を引く効果があるため、看板や標識など、視認性が求められる場所でよく使われます。


また、近接(類似色相)した配色を取り入れると、統一感のある世界観が構築できます。

これは、色相環上で隣り合う色、または色相差が近い色同士を組み合わせる配色方法であり、例えば、赤とオレンジ、青と緑青などがこれに当たります。



ブランドの「らしさ」を、視覚で確かめるツール

マオトワークスとして、いまブランドカラーの設計で迷っている方に、ぜひお伝えしたいことは、「ブランドとは”自分の好み”を超えた存在」だということです。


「誰に?どんなふうに?」ブランドが届いてほしいのか、、?まずは、そこから一緒に考え始め、その想いを軸に、色・形・トーンを適切に整えていくことで、「行間がつたわるブランド」をつくる、最初の第一歩になります。


「ムードボード」は、そのプロセスの中で「目に見える確信」を与えてくれる大切なツールです。

なんとなくの印象ではなく、「意図を持って選ばれた色や写真に囲まれた“視覚の地図”」であるムードボードは、制作に関わるすべての人とブランドの世界観と方向性を共有する力にもなります。


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